介護

「介護」の原点について

日本では高齢社会がますます進む中、国は1990年に「高齢者福祉整備10カ年計画」を打ち出し、ホームヘルパーという名前が誕生しました。そのまさしく10年後には介護保険制度が施行され、現在のように国全体で高齢者を支えています。

 

私は時代の波に乗るように介護の資格を取り、介護の世界に入りました。当初は私も国の役に立つ高齢者に喜んでもらえる仕事をするぞという気持ちでいっぱいでした。しかし、私は長年介護福祉士として仕事をしているうちに、「介護」の原点に戻りたいという気持ちになることがあります。

 

何故なら、訪問介護をしているといろいろ理不尽なことに遭遇するからです。私は居宅介護支援センターに勤務しています。事業所の方で自分の担当する利用者が決められ、決まった利用者宅へ週に1、2度訪問をしています。

 

のべ、20人程担当していますが、利用者は一人一人全く違う要介護度、人格、家族状況を持っています。私たち介護職員は、それぞれの利用者に合わせてケアサービスをしますので、多重人格になっているようで時には女優業も出来るかもなどと思います。

 

理不尽なことは、主に長い年月通っている利用者宅で起こります。お互いによく知った仲になるのが要注意です。利用者には甘えが出てきます。ケアサービス計画書には記載されていないことも要求してくるのです。例えば、要介護度5の70代女性は、寝たきりですので何もできません。

 

まずは、オムツの交換から始まり食事介助、肩のマッサージなどしていると、あっという間に決められている利用時間である1時間は過ぎてしまいます。その方は私が帰る頃になると、「ちょっとついでに○○してって。」とあることを依頼してきます。

 

それは、猫が床にウンチしたから拭いていって、2階で孫が寝ているから起こしてきて、などです。私は笑顔で応じますが内心は、それは介護福祉士の仕事じゃありませんという気持ちでいっぱいです。しかし、この仕事を始めた頃によく読んだ本の一節にはこう書かれています。

 

「介護の概念、それは弱い者、傷ついた者を助けるというただ一つの目的の為の行為であり、痛みを取り除いてあげたい等々弱者へのいたわりの心すべての行為の基本に流れている」と。